鳩山邦夫さんは2016年に67歳で亡くなられた政治家です。多くの大臣経験を持ち活躍された方でしたが、とても発言が独特であり、「失言」と指摘されたことも多かったようです。一方で、料理と蝶をこよなく愛し、政治活動も自分の信念を貫き通す姿勢がありました。
堀江貴文さんも鳩山邦夫さんのそんな真っすぐで正直な姿勢に惚れこんでいたようです。今回は鳩山邦夫さんの蝶愛好家としての姿、料理好きの姿、誤解された発言やその背景にあったもの等お人柄が伝わるエピソードを集めてみました。
◆若い頃、ホリエモンこと堀江貴文が有能秘書・上杉隆との話でダイスキになった国会議員・鳩山邦夫 画像
まだ鳩山邦夫さんの生前の話として、ホリエモンこと堀江貴文さんが雑誌『SPA』の対談で鳩山邦夫さんの元秘書の上杉隆さんとの楽しい話の後、鳩山邦夫さんにまつわる様々な話を聞き、絶賛するの姿がありました。
鳩山邦夫さんはサイコーだよ?
当初は鳩山邦夫さんに対して疑心暗鬼なところがあった堀江貴文さんも、知れば知るほど鳩山邦夫さんという人物の意外な魅力に惚れこんでしまったようです。
そして、2016年6月に67歳で他界された時にも、堀江貴文さんは鳩山邦夫さんについてツイッターで果たされる事がなかった鳩山邦夫さんとの約束を残念に思う気持ちを発信されていました。
蝶を見ながら
鳩山邦夫の手料理が
食べたかったホリエモン・・・。
鳩山邦夫さんの手料理をひそかに楽しみにしていた堀江貴文さんだったのでした。
◆国会議員・鳩山邦夫は若い頃、ろくに勉強しないでも東大に合格した天才肌
鳩山邦夫さんは全然勉強しないで東大に入ったことで有名だそうです。鳩山邦夫さんの母親も秘書の上杉隆さんに「邦夫さんは全然勉強したことがないから凄いのよ。物凄く優秀なのよ。」と語っていたと言われています。
鳩山邦夫さんは大学受験前も参考書すら買ったことがなかったらしく、後ろの答えを立ち読みしていただけで覚えてしまっていたという都市伝説のような若い頃のエピソードがあります。
鳩山邦夫さんの兄にあたる鳩山由紀夫さんのほうは凄く勉強して東京大学工学部計数工学科へ入学、卒業し、スタンフォード大学大学院の博士課程も修了されていますが、元々は弟の鳩山邦夫さんの方が天才肌だったようです。
◆国会議員・鳩山邦夫は大臣時代も官僚のつくる「ブリーフィング」に的確な赤線と鋭い指摘で若い頃から恐れられる存在だった
鳩山邦夫さんの大臣時代も官僚が「ブリーフィング」という分厚い資料を持ってくると、説明より前に「ちょっと待って」と端的な赤線を引きながらパーッと読み、その赤ペンを頼りにピンポイントで官僚へ質問をし、問題を指摘していたそうで、官僚からも恐れられるほど優秀だったと言われています。
何しろ的確な鋭い指摘と質問。
ちなみに鳩山邦夫さんは議員時代に色々な大臣を歴任されています。
・労働大臣<羽田内閣>
・法務大臣<福田康夫内閣>
・総務大臣<麻生内閣>
・内閣府特命担当大臣(地方分権改革担当)<麻生内閣>
調べてみると特に鳩山邦夫さんの中では、2回目の選挙で落選した際にも変わらず優しく接してきてくれた羽田孔氏への思いが強かったようです。
落選中、メシを食おうと誘ってくれたのは羽田さんだけなんだよ。
(中略)
政治っていうのはな、スポットの当たっているときは多くの人が集まるが、落選した途端、蜘蛛の子を散らすように周囲からいなくなってしまうんだよ。でも、羽田さんだけは違ったなぁ引用元:DIAMONDオンライン
そうした「政治家」「権力」というものの前に若い頃から「人間」としての気持ちが強かった鳩山邦夫さんなのでした。
◆若い頃から鳩山邦夫は料理好きで1日6食!秘書にまで振舞う腕前もプロ級の天才的料理人だった!天ぷらにまつわる失言もあった
そんな人間味あふれる鳩山邦夫さんのエピソードとして、「1日6食食べていた」という驚きのエピソードも堀江貴文さんは語っています。
朝起きて、歴代秘書にまで自分の作った手料理を振舞っていたという鳩山邦夫さんのご自宅には、自家菜園まであり、自宅の畑を耕して野菜をつくられていたようです。そして、朝どりの野菜を使用した料理を毎日作って周りにまで振舞っていたのだそうです。
無類の料理好き。
議員時代には鳩山邦夫さんはセレブ生活を揶揄され、週刊文春に「朝からフォアグラや天ぷらを食べるようだ」と書かれていたこともありました。
「フォアグラは体に悪いし、絶対食べない」
「体つきから想像するのは構わないが、まったく根も葉もない」引用元:news.allabout
雑誌の内容について「フォアグラなんて絶対に食べない!」と立腹して鼻息荒く否定するコメントを出したものの、「朝に摘んだばかりのセリの天ぷらを食べることはある」という発言をし、「天ぷらは食べるのかww」と笑いを誘います。
画像:amazon
いつも正直すぎる一面(笑)
しかしこれも実は自家菜園で採れたセリだったそうなので、鳩山邦夫さんにしてみればセレブでも何でもない、ド直球の嘘偽りのない正直な回答だったわけです。そうした前後の背景を知りようもない人々からは批判の主旨が全く分かっていないと捉えられたようです。
おそらく、セリを育てたのも収穫したのもてんぷらにして揚げていたのも鳩山邦夫さんご自身で、何も批判されることなどないだろう、という思いも背景を知れば理解ができます。
画像:twitter
ホリエモンが食べられなかった
鳩山邦夫の手料理を
20年前に食べている人がいた!
2016年6月、鳩山邦夫さんの訃報に際し、千原ジュニアさんが20年前の番組企画で鳩山邦夫さんに手料理を振舞ってもらったことがあるというお話をされていました。
すっごいおいしかった。
料理が得意な邦夫氏からは中華料理の手料理をふるまってもらったという。「すっごいおいしかったですよ」と、懐かしそうにその味を振り返った。
引用元:デイリー
また、鳩山邦夫さんは番組の企画の中で被り物を被るような「サービス精神旺盛な方だった」とその人柄を偲んでいました。
愛妻・エミリーにも料理を指導していたw
鳩山邦夫さんの「1日6食」の内訳はこちら
・10:00 食堂(庶民用の安い食堂)そばなど
・昼食
・16:00 小腹を満たす軽食
・会食(高級議員会食)
・帰宅後 小腹を満たす
昔は兄とも仲が良かった。
鳩山邦夫さんは永田町駅から徒歩1分の自民党本部9階にある食堂「サンフーズ」もこよなく愛していたようです。一般開放はしていない食堂だという事ですが、国会議員はもちろん、党職員、官僚、報道関係者の胃を50年以上も満たしてきた歴史ある食堂なのだそうです。(ほとんどが500円以下の価格設定らしい)
海部元総理や鳩山邦夫元総務大臣が離党した際に、記者から「離党して悔いはないのか」と聞かれ、「あるとするなら、党本部のビーフカレーが食べられなくなること」と言わしめた逸話もある
引用元:SAKIDORI
離党の最大の悔いは
ビーフカレーw
言葉尻から、鳩山邦夫さんの台詞だったと推測されますw
◆鳩山邦夫は若い頃から蝶の魅力を熱弁する本当の蝶マニアで愛好家 画像
堀江貴文さんが語っていた情報ですと、鳩山邦夫さんは蝶々のマニアで自宅でも幼虫を育て、蝶のブリーディングを行い、蝶ごとに食べる葉も異なる為それまで準備していたという話がありました。
画像:日本マウント株式会社
調べてみると、鳩山邦夫さん自身が蝶の魅力について熱弁する姿がありました。
蝶の魔力に取りつかれてしまった男
鳩山邦夫がそこにはいた(笑)
蝶の魅力に取りつかれるっていうのはですね、例えば女性に狂うとかですね、ギャンブルに狂うとかですね、釣りに熱中するとかですね、ゴルフ狂になったとかですね、そういうのに比べればはるかに強烈だと思いますよ。
「魅力」じゃなくて「魔力」があって、1回園調の魅力に取りつかれたらですね、どんどんどんどんこれは病膏肓(やまいこうこう)に入るというかですね。高まってきますよ。
引用元:時事.com
画像:amazon
鳩山邦夫さんの蝶に対する想いは、もう本人でも手のつけようのないほど狂ったように夢中になってしまう不治の病にでもかかってしまったかのような表現です。
ちなみに私も学生時代に「蝶」をテーマにしていましたw
◆鳩山邦夫が「ノーベル賞」受賞者の子供時代には昆虫採集が趣味だった人が多いことを指摘!若い頃に掲げた 環境保護「ビオトープ構想」の政策へ繋がる背景 画像
さらに鳩山邦夫さんは日本だけでなく世界の「ノーベル賞」受賞者の子供時代に「昆虫採集」が趣味だったことが異常に多いということを指摘しています。
鳩山邦夫氏、蝶を語る。
昆虫採集が
学問の発展につながる。
物理学とか、化学とか、生物学じゃなくてですよ。そういう分野で「ノーベル賞」をとるひと、とった人っていうのは、子供の頃の趣味が昆虫採集だったっていうのがすごく多いんですよ。
引用元:時事.com
いかに昆虫の生態を知ること、自然との関係性、その中の人間という存在を知ることが学問の発展につながっていくかということを熱く語る鳩山邦夫さん。
画像:日本マウント株式会社
鳩山邦夫さんと「蝶」との関係性やつながりを掘り下げていくと、鳩山邦夫さんが批判を浴びながら環境保護を強く訴えていた経緯が見えてきます。
画像:日本マウント株式会社
だから、昆虫採集っていうのをする中で、蝶が生きていく様、例えばその樹が無くなったら蝶は居なくなるとか、あるいはこうしたから蝶が増えたとか、そういう思考ができるという事、自然と触れるということがですね、大人になってからの学問の発展にすごくつながる。
面白いほどみんな「ノーベル賞」を取った人はみんな若い頃から物理や化学が好きだったんじゃない、若い頃は昆虫採集やってましたっている人が多いんですよ。世界でも、日本でも。
引用元:時事.com
鳩山邦夫もまた
幼少期に軽井沢の別荘で蝶を見て育った。
鳩山邦夫さんが民主党時代に強く訴えていた「環境政策」に対する主張は当時、党内から猛反発を浴びていました。民主党結党に7億円もの資金を無償で貸し付け、さらには環境政策の推進のために自費で「勉強会」も設立したものの、理解されることはありませんでした。
オレはポストも断ったし、党には何も要求していない。単に、環境政策だけは好きにやらせてくれ、と兄貴に頼んだだけなのに、それすらダメだというんだよ。
引用元:DIAMONDオンライン
蝶をきっかけに
兄への不信感も。
画像:https://matome.naver.jp
まだ当時は「地球温暖化」という言葉や概念すら浸透しておらず、この環境保護に対する鳩山邦夫さんの発言は企業後援会からの猛反発と抗議の声が上がる状況を招き、後援会も自主解散してしまうほどの状況だったそうです。
それでも、
過激な環境保護発言を
絶対に止めない鳩山邦夫さんの姿がそこにはありました。
結局、鳩山邦夫さんは1999年には「自然との共生」「ビオトープ構想」を中心とする環境政策を掲げ、兄と立ち上げた民主党も信念を貫くために離脱し、自らの政策の為に国会議員もやめてしまいます。
すべては
蝶をひたむきに愛したことから始まっていた事でした。
画像:https://blog.goo.ne.jp/kumagaya001/
ある夏の日の軽井沢。小学三年生の兄がきれいなチョウを採ったと飛び込んできた。
真っ赤な翅に美しい目玉模様。小学一年生の弟はうらやましくて仕方がなかった。クジャクチョウ。別荘を飛び出し、兄が捕まえた場所を何度も何度も歩き回った。しかし、ついには出現しなかった。兄のいる方ならば、その悔しさが分かるか!クジャクチョウを手にした兄とは元首相の鳩山由紀夫さん。弟とは21日亡くなった自民党衆院議員の邦夫さんである。
引用元:東京新聞
画像:青木村役場
環境問題への取り組みは
いつか美しい蝶と交わした
「男としての約束」なのかもしれません。
◆事務所もひっくり返った鳩山邦夫の若い頃からの伝説の失言「友達の友達がアルカイダ」発言の真相に蝶の存在 兄・鳩山由紀夫は?
鳩山邦夫さんの数々の失言とされるものの中でも、伝説の失言として残っているのはやはりこちらです。
「友達の友達がアルカイーダ。」
吉本新喜劇の舞台だったら、芸人がみんな後ろにひっくり返るところです(笑)どうしてこんなことを鳩山邦夫さんは発言してしまうのか、と当時は永田町界隈だけでなく、国中が信じられない!といった仰天場面でした。
私も当時、何を言ってるのかビックリしましたw
もっと詳しい内容としてはこうでした。これは2007年に鳩山邦夫さんが発言されたものですが、2002年10月、インドネシアのバリ島では「バリ島爆弾テロ事件」というものが発生していました。
この爆破テロでは21か国の外国人観光客を含む202人もの被害者が出ていました。また、2003年に12人、2004年9人、2005年20名以上が立て続けに犠牲となっていました。
私の友人の友人がアルカイーダだ。二、三年前は何度も日本に来ていた。彼はバリ島の爆破事件に関与していた。私は、彼の友人の友人ですけど、バリ島の中心部は爆破するから近づかないようにというアドバイスを受けていた。
引用元:Wikipedia
この場面でも、鳩山邦夫さんは(自分の中でだけ納得できていることを)最小限の言葉で語ってしまったため、いつもの誤解の元である「言葉と説明が足りない」ことが原因の大事故となってしまいます。
開けてみると、蝶を介して繋がった愛好家仲間が世界中にいる鳩山邦夫さんには、鳩山邦夫さんと同様、世界中に蝶愛好家仲間とのつながりのある友人が多くおり、
その仲間のひとりから『その中にはテロ組織の構成員と思われる者がいて、日本にも入ってきたことがある旨や、バリ島の爆破事件にも関与していた』という話をバリ爆破テロ「以後」に聞いたという話だったようで、直接鳩山邦夫さんにとって面識がある相手がアルカイダだったというわけではなかったようです。
具体的には鳩山邦夫さんの「友人の友人」にアントン氏という名の人物がおり、アントン氏は当時、国際テロ組織アルカイダとつながりのあった組織ジェマ・イスラミアと関係していたという事だったようです。鳩山邦夫さんとアントン氏は会ったことはありませんでした。
チョウ、ビックリよw
画像:日本マウント株式会社
それも、蝶に関するエピソードや背景を知ると納得の内容(笑)。
暖かい国には色鮮やかな珍しい蝶がたくさんいるということで、インドネシアにもたびたび足を運んでいる鳩山邦夫さんでしたが、超マニアの仲間が増えていって、「より珍しい、希少種の蝶」を見るために、各国でもジャングルの中の秘境のような奥地まで足を運ぶということは良くあることのようです。
知らない人間がそうした奥地へ足を踏み入れるのはとても危険で、現地を案内してもらう人が必要となります。危険な地域を案内してもらうとなるとおのずとその地域を良く知っているゲリラのような人物となるようです。
鳩山邦夫さんの目的はあくまでも蝶!
そして、鳩山邦夫さんは議員特権で希少種の珍しい蝶を日本に持ち帰り、増やして、また戻すという活動をされていたようです。
画像:creativec.html
優しいw
さらに、鳩山邦夫さんはこの話をまだ防衛省になる前の「防衛庁」にも警察庁にも法務省入管にも伝えていましたが、どこも取り合わず、何も行動することはなかったとも主張していました。
それくらいこの国は危ない国なんだ。バリ島の中央部を爆破した人が日本に3回入国して『やっぱり爆破するなら新幹線だろうかな』なんて言ってるかどうかは知りませんが、私はそのことを指摘した。こんな平和ボケはだめだと。だから、(自分が法務大臣になったときには、出入国時に)指紋や顔写真を使うようにした。
引用元:東京産業新聞社
鳩山邦夫さんはインタビューで実際にマレーシアへ「蝶を採りに行った時の経験」についても語られていました。
蝶に逢うために
まずキングコブラに遭っていたw
蝶を取りに行くことはまさにハンティングですよ。ジャングルの中でキングコブラに私、出会ったんだから。マレーシアに行ってキングコブラに出会いながら蝶の調採をする。
引用元:時事.com
世界最強の猛毒蛇・キングコブラ
画像:生き物情報ナビ
しゃああああ。
◆国会議員・鳩山邦夫が何よりも「環境問題」を掲げるようになった理由となる若い頃の体験と茂木健一郎の追悼文画像
鳩山邦夫さんは生前、このような主張をしていました。
「蝶っていうのは、ひとつの有力な環境の指標だと思いますね。」
人間の開発は
蝶が生きる生態系を壊していることを知った。
例えばですね、林道があると。林道へ行ったらいっぱい蝶がいる。その林道を舗装したらですね、蝶は10分の1に減るんですよ。なぜかってことは説明できるわけですが、舗装するってことは生態系を破壊するんですよ。
周りの草地や周りの樹木が全然変わらなくても、砂利道を林道を舗装した瞬間に蝶は10分の1に減るんです。だから人間がいかに生態系を壊しているかってことが蝶やっていると良く分かる。
引用元:時事.com
普段よく見かけるような自然破壊が蝶にとって危機的状況だと痛感したのは鳩山邦夫さんがとても大事にしていた宝物のような空間を奪われた経験からでした。
画像:creativec.html
鳩山邦夫さんには長野県のある所に若い頃から大事にしていた「特別な場所」が存在しました。そこは訪れるたびに色々な蝶がおり、卵も採取できて、親の蝶もたくさん飛んでいる楽園のような場所だったようです。
まあ秘密の産地ってわけじゃないけれど毎年行ってそこで蝶と戯れているだけでさ、採らなくても何しなくても喜びに浸れたんですよ。蝶が舞ってて。珍しい蝶も居たし。
引用元:時事.com
鳩山邦夫さんにとって、
とても特別で
とても大事な場所だった。
ところが、ある年に行ったら、その土地そのものがないんですよ。ゴルフ場の芝生が張ってあった…。ゴルフ場ができちゃったんですね。涙涙ですよ、もう。悔しくて、悔しくて・・・。そういう経験しましたね。
引用元:時事.com
喉からこみ上げる悔しさに耐え、言葉をかみしめながら語る鳩山邦夫さんの姿がありました。
この時、鳩山邦夫さんは姿が見えなくなった蝶たちと約束をしたのだと思います。
画像:amazon
この時の鳩山邦夫さんの大きな失望感や感情の事を想像するのに、脳科学者の茂木健一郎さんが鳩山邦夫さんの死後、言葉を寄せた文章にその情景が映し出されているような気がしました。
画像:茂木健一郎公式ブログ
蝶を愛する姿に
人としての最も大切な本質があった。
ぼくは、案外、「聖」なるものは、私秘的な時間にあって、たとえば、少年が蝶に向き合っている、その情熱の白熱電灯のようなあり方の中にこそ、人間としての存在の本質があるように感じる。
時間は経って、二度と戻らない。みんな、いつかは死んでしまう。そんな宇宙の神秘との向き合い方の一つの現れが、蝶との時間にある、という、そんなふしぎなプライベートと「聖」の交錯が、あるような気がする。
世間的には、総務大臣をつとめられたとか、そういうことが大事になるのだろうが、同時に、蝶に象徴されるような、私秘的な時間こそが、「私」というものの大切な場所になる。
そして、それは亡くなった時にしみじみ思い出される。それがわかっていることは、人間として、おそらく重大なことだ。
引用元:exciteニュース
こうした人間としての深い感情や、政治家としての生命を脅かされながらも一貫して日本の豊かな風景や自然に対する大きな気持ちを持って役割を果たそうとしていた人が亡くなったんだなと思うと大きな喪失感を感じます。
◆国会議員・鳩山邦夫の死因は十二指腸潰瘍?別の病気だった? 画像
2016年6月21日、鳩山邦夫さんは享年67歳で病に倒れこの世を去ります。その死因は十二指腸潰瘍だということが発表されました。亡くなる直前までには鳩山邦夫さんはかなり激やせ状態が話題となっており、体調不良を心配されていました。
しかし、専門家によると、現代の医学で十二指腸潰瘍で死に至るというケースは可能性として大変低く、考えにくいという話でした。
今は胃酸を抑える良い薬がたくさん開発されていますので、胸やけや空腹時の腹痛などを訴えて医師のもとを訪れ、薬をもらってちゃんと飲めば普通に治ります。十二指腸に穴があくほど悪化することはまずありませんし、十二指腸潰瘍が原因で亡くなるなど、今の日本の医療ではまず考えられません。
引用元:デイリー
専門家の話では、鳩山邦夫さんは「糖尿病」もしくは「ガン」が元々あり、悪化を促した後発的なものとして十二指腸潰瘍があるのではないかと指摘していました。
画像:http://mugentoyugen.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-3d80.html
鳩山邦夫さんの地元福岡県久留米市のホテルで行われたお別れ会には蝶を何より愛した鳩山邦夫さんの為に蝶を象った祭壇が用意され、県内外から、鳩山邦夫さんとゆかりのあった2,000人を超の人たちが訪れ、その別れを惜しんだそうです。
鳩山邦夫さんに手料理をご馳走してもらう約束をしていたという堀江貴文さんにとってもダイスキだった人の死は影響を残したようです。
◆鳩山邦夫の死が若い頃の堀江貴文(ホリエモン)に与えたもの・失言衝撃発言集 画像
堀江貴文さんは近年、とても大きな変化を自分の中に意識的に組み込んだ様子があります。それは「言葉足らずの発信を意識的に伝わりやすいような発信に変えていく」というものでした。
元々、分かる人だけに分かればいい、言葉は最小限でいいというスタンスだった堀江貴文さんもその言葉の不足によって大きな勘違いをされやすいという鳩山邦夫さんと近い特徴を持っており、自身もそれを認識していました。
しかし、若い頃はそれで構わないと思っていたそういった発信や言葉の使い方を意識的に変えていこうという考えに変わったようです。そのきっかけの一つとして鳩山邦夫さんの生き方や人物像があったように思います。
かつて堀江貴文さんは鳩山邦夫さんについてこのように述べていました。
●「友達の友達はアルカイダ」っていったって、誰も分からない
●自分の中で完結していて分かるだけ
●言葉がぶっきらぼうで先の影響を考えずに話すところがある
●でも、だいすき
堀江貴文さんが心を掴まれるほど魅力的な存在の鳩山邦夫さんは、大変頭が良くて、できる政治家であり、考え方もそれを貫く政治姿勢も立派な人でした。
しかし、その本意・本質の部分が常に知的でぶっきらぼうかつ本音の言葉によって、逆に正しく伝わらないことによって、無用なトラブルに巻き込まれ、結果、本人が最も達成したいことを遂げられずに亡くなりました。
◆鳩山邦夫さんのその他若い頃からの「有名な暴言、失言集」まとめ
これら、歯に衣着せぬ真っすぐな言い回しと、本音を突き刺していく鳩山邦夫さんの言葉は堀江貴文さんにとってとても影響力のあるものでしたが、こんなに優秀で志が高い人が、最も達成したいことを遂げられずに亡くなったという事実に対して、おそらく堀江貴文さんは「自分の課題」について思うことがあったように思います。
鳩山邦夫さんの代表的な失言、誤解される問題表現の中でも代表的なものを取り上げてみました。
◆死刑執行について①「法務大臣が絡まなくても自動的に、客観的に進むような方法を考えたらどうか」
人の命が係わる「刑執行」に関して、まるでベルトコンベアのように例えたことで批判されます。その他にこの件に関しての発言としては、以下のようなものがありました。
●「法務大臣に責任をおっかぶせるような形ではなく、自動的に進むような方法ってないのかな」
●「だれだって判子をついて死刑執行をしたいとは思わない」
●「大臣にとって精神的苦痛を感じないものではないでしょう」
実際に法務大臣として計13人の死刑執行を命令しています。(1998年11月以降2番目に多い数)
朝日新聞から「死神」とまで書かれました。
しかし、法務大臣として他の人間が負担に思うことを積極的に自分から行っていく姿勢そのものでもありましたが「ベルトコンベアー」という単語の破壊力の方が大きかったため、意図がきちんと伝わらずに終わりました。
◆死刑執行について②「任期中に(死刑執行を)30ー40人はしなくてはならなかったと反省している」
こちらの言葉も、刑事訴訟法で示されている内容として、「死刑判決確定から6カ月以内に死刑を執行すべきである」というものがあるにも拘らず平成改元以降、その通り執行された例がないことを鑑みて自身に課された任務として行いたかったという意味だったようです。
さらには大臣になった者にとって大変負担のある決定だけに自分自身がその役割を率先して果たさなければならないと思っていたというニュアンスもありそうですが言葉ではそのような鳩山邦夫さんのせっかくの配慮は全く伝わってこない形となっています。
◆「ペンタゴンがやってきて毎月食事をご馳走してくれました」スパイなの?
食事をごちそうしてくれた。
「友達の友達はアルカイダ」発言の熱がまだ冷めやらぬ頃に国会の法務委員会での発言です。傷に塩を塗るような発言に秘書も気を失いそうになったはずです。
アメリカ国防総省の協力者だったという事??というあらぬ誤解を招く事態に・・・。
◆世界同時株安「兄も相当損したのではないか」
母方の祖父の関係から、保有していたブリジストン社の株375万株が、2008年1月の世界同時株安で評価額30-40億円の含み損が発生したという話から、兄・由紀夫について述べたが、「余計なことを言う人だ」と兄から不快感を表明されてしまいました。
◆志布志事件「冤罪と呼ぶべきではないと思う」
被告人全員の無罪が確定している志布志事件において、無実の人間に有罪の確定判決が下ることを指す厳密な解釈からすれば、確かに冤罪事件とは言えないという指摘もありましたが、言葉の解釈が一般には分かりにくいことから誤解を与えたようです。
※広辞苑によると冤罪とは「無実の罪」というあいまいな意味
◆SMAP草彅剛に対する「最低の人間だ。絶対許さない」
当時、地デジのイメージキャラクターを務めていたSMAPのメンバー草彅剛さんが、公然わいせつ罪で現行犯逮捕されたことに対して、総務大臣としてテレビで発言しましたが後にファンからの批判総攻撃に遭います。
◆実兄・鳩山由紀夫に対して批判「ウソばかりだから黒いハト」
兄をこのような強い言葉で攻めたものの、実際は鳩山邦夫さんも母親から億単位の資金提供を受けていたことが発覚。政治倫理審査会に呼び出され、自ら事情聴取されることに・・・。(おしい)
でもここまでくると、オモシロいと失笑する人が出てきます。
◆法務大臣時代に「凶悪な犯罪が少年法によって犯される」
少年法の改正を求める署名を少年犯罪の犠牲者の両親から受け取る際の発言で法務省大臣として不適切な発言と批判されました。
◆法務大臣時代に「司法試験の合格者数を年3000人に増員は多すぎる」
既に2010年に司法試験の合格者数を年3000人に増員することが決まっており、かつ法務官僚の反対にもかかわらず法務大臣として発言し、波紋を呼びました。
◆「トキを焼き鳥にするようなもの」
歴史が深い郵便局の建物を壊すのを見ての比喩でしたが、天然記念物に対して不吉な発言で波紋を呼びました。鳩山邦夫さんからするとちょっとしたユーモアだったと思われます。
これらの発言からは、鳩山邦夫さんの言葉の不足や、正直すぎる激しい性格から本質を理解されにくいことによる誤解や批判を多く浴びていることを感じます。
これを見た堀江貴文さんは、思想や考えていることは過去と変わらなくても、自分自身の出力方法をガラッと変えていったのでした。それは鳩山邦夫さんが素晴らしいものを持っている人だったからこその影響だったように思います。
そのきっかけを堀江貴文さんへ与えた、鳩山邦夫さんの秘書・上杉隆さんは生前、鳩山邦夫さんにこのような質問をしたそうです。
「仮に、明日死ぬとして、政治家としてひとつだけ好きなことを実現させてやると神様に言われたら、代議士は何を望みますか?」
鳩山邦夫さんは軽井沢へ向かう車の後部座席で暫く「う~ん」と考えていたそうです。上杉隆さんは当然、「総理大臣」あるいは「都知事就任」という言葉が出るだろうと想像していたと言います。
すると、鳩山邦夫さんはゆっくりとこう答えたのだそうです。
日本中の道路や河岸のコンクリートを全部ひっぺがえして、緑にしたいなぁ。
引用元:DIAMONDオンライン
画像:わかみや
いつも蝶と共に生きていた
鳩山邦夫さんのお話でした。
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