お釈迦様の言葉「この世は美しい。人間の生命はなんと甘美なのか」

■有名人のことば・名言

今回はお釈迦様の言葉を紹介した瀬戸内寂聴さんのお話をご紹介します。

◆お釈迦様のことば「この世は美しい。人間の生命はなんと甘美なのだろう」

 

釈迦(しゃか)
ガウタマ・シッダールタ
ブッダ、仏陀佛陀、釈尊、牟尼、釈迦尊、仏様
など

紀元前5世紀前後 

 

 

この世は美しい。人間の生命はなんと甘美なのだろう

 

この言葉を紹介されていたのは、2020年に98歳という年齢になった、もはや人間界の中でも神の領域にいる瀬戸内寂聴さんです。

 

 

◆お釈迦様のことば「美しさ」と「甘美」に心が揺さぶられる

 

最初に私がこの言葉を知った時、お釈迦様のおっしゃったとされる、この人間世界が「美しい」という言葉と人の命が「甘美」であるというその言葉の選択でした。

 

 

わざわざそれを言葉にされることでこの世界の「宝」を示されたような印象を持ちます。争いや戦争が絶えず、苦しむ人間が決してい無くならないこの世界が「美しい」とは、それらの愚かな出来事を起こし続ける人間の命が「甘美」とはどういうことだろう、という宿題で私の心の中には長くこの言葉が残りました。

 

「甘美」という言葉は、心地が良く、うっとりとした気持ちにさせるものや状態を指します。

 

 

「この世は美しい。人間の生命はなんと甘美なのだろう」。お釈迦様のこの言葉が私は大好きです。お釈迦様は、この世は苦であるとしながらも尚、このような美しい言葉で人間を愛されたのです。

―瀬戸内寂聴

引用元:『ニッポン放送NEWS ON LINE』 2019年3月22日

 

この世界で起きているたくさんの悲劇も苦難も、その中で生きるひとりひとりの人間の個々の人生における苦しみ、生きづらさも、我々に与えられているすべてはすんなりとそのまま「幸福」という形をしていないものばかりです。

 

しかし、それを人間という命や時間に限りのある、体温を持った生命を通すことで、「希望」となったり、今度は希望へと向かう「勇気」というものが生み出されたり、困難を乗り越えるための「たくましさ」「しなやかさ」がうまれたり、その間で、大切な者を「愛し」「慈しみ」、愛する者との別れに絶望をし、その思い出を改めて愛でるという起こっている一連の出来事を見ていくと、

 

人間というものがその体温、時間、余命をかけて産出していくものはとても感情豊かで純粋性の高い産物が多くあることが分かります。

 

人間は、自分の人生や命を通して、いつもそうした宝を次々に生み出しているという事が見えてきます。また、お釈迦様にとってそうしたものが、この世界で最も価値のある「美しいもの」であり、「甘美なもの」であると私たちに教えてくれていた言葉なのではないかと感じました。

 

私の人生は
甘美な味わいのある
豊かな人生であったか。

それは、自分がこの人生において、苦難や困難から、どれだけ多くの透き通った情念、宝を算出できたかという事なのかもしれません。また、自分の人生を終えるときに、悔いがあるもないも、人が振り返るのはこの1点ではなかろうかと、現在の私は感じます。

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